C. 3D User Interface & Haptics

触覚情報は対象に直接接触することで知覚されるため、その物理的制約から他者と同等の触感を共有することは容易ではない。本グループでは、接触力計測装置や三次元位置・姿勢計測装置、フォースフィードバック装置等を活用したVRシステムの開発や心理物理実験を通して、触力覚情報の伝達・共有法の確立や触知のメカニズムの解明を目指している。

実世界における触力覚情報のリアルタイム共有

実世界において他人と同時に同じ触感を得ることは容易ではなく、触力覚情報を他人へ正確に伝達することも難しい。この問題に対し、本研究では指先の力のセンシング装置と三次元位置・姿勢計測装置、フォースフィードバック装置を活用したリアルタイム触覚共有システムを開発した。実験を通して、能動触となる送信側と受動触となる受信側間の力をべき関数に基づいて補正することで等価な感覚を得ることができることを確認した。


  • 中尾 , 北村 龍平, 佐藤 哲大, 湊 小太郎, "実世界における触覚インタラクションの共有方法", 日本機械学会 第24回バイオエンジニアリング部門講演会, 8D13, Jan 2012. [PDF]
  • M. Nakao, R. Kitamura, T. Sato and K. Minato, "A Model for Sharing Haptic Interaction," IEEE Trans. on Haptics, Vol. 3, No. 4, pp. 292-296, 2010. [html] [mov1][mov2](asf, 0.6MB)
ハプティックインタラクションによる大動脈の硬さの伝達

従来の臨床教育では、医師は日々の手術を通して医療手技を経験的に身につけるのが一般的で、安全性や患者への負担が課題とされてきた。リアルタイム物理 算とフォースフィードバック装置によって触れるバーチャル臓器を提供することで、様々な病態や手術状況を再現し、手技を定量的に評価することも可能とな る。医学部の実習に開発した大動脈触診システムを導入し、大動脈の正常・硬化時の硬さの習熟に効果的であることを確認した。(共同研究:京大病院 心臓血管外科)

  • M. Nakao, T. Kuroda, M. Komori, H. Oyama, K. Minato and T. Takahashi, "Transferring Bioelasticity Knowledge through Haptic Interaction", IEEE Multimedia, Vol. 13, No. 3, pp.50-60, Jul. 2006. [mov] (mpeg, 6.4MB)
  • M. Nakao, T. Kuroda, M. Komori and H. Oyama, “Evaluation and User Study of Haptic Simulator for Learning Palpation in Cardiovascular Surgery”, International Conference of Artificial Reality and Tele-Existence (ICAT), pp. 203-208, 2003. [PDF] (Award of Outstanding Paper)
時系列ボリュームデータに基づく心拍動の視覚・力覚提示

CTやMRIの時系列ボリュームデータに基づいて心拍動を見て、触ることのできるVRシステムを開発した。時系列形状データとマニピュレータとの接触判定方法と、心内圧と心筋の力学特性を簡易的にモデル化した反力生成方法を提案する。心臓血管外科医による試用評価により、提案モデルは心拍動の二相性を再現した力覚提示が可能であることを確認した。(共同研究:京大病院 心臓血管外科)

  • M. Nakao, H. Oyama, M. Komori, T. Matsuda, G. Sakaguchi, M. Komeda and T. Takahashi, "Haptic Reproduction and Real Time Visualization of a Beating Heart for Cardiovascular Surgery Simulation", International Journal of Medical Informatics (Elsevier Science), Vol. 68, Issue 1-3, pp. 153-161, Nov. 2002.
  • 中尾 恵, 小山 博史, 小森 優, 松田 哲也, 高橋 隆, "心臓手術シミュレーションに要する心拍動の視覚及び力覚提示に関する研究", 日本バーチャルリアリティ学会 論文誌, Vol.7, No.3, pp. 413-420, 2002.